星状神経節ブロック注射は顔面神経麻痺の後遺症に効果があるのか?

星状神経節」とは、耳慣れない言葉ですが、脳・脳・顔面・頭部・頚部・上肢・心臓・肺などに交感神経の細い線維を送っている、のどにある交感神経の「中継所」のような場所のことで、ここに局所麻酔薬を注射し、交感神経の働きを一時的にブロックするのが「星状神経ブロック療法」です。

 

のどにある交感神経を一時的にゆるめることにより、ヒトが本来持っている自己治癒力を高める注射による治療法です。
自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスを整えることにより、色々な症状や病気に有効であるとされています。

 

たとえば、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、さまざまな病気が引き起こされることは、よく知られています。

胃・十二指腸潰瘍、高血圧症、気管支喘息、不眠症、うつ状態、過敏性腸症候群等など。星状神経節ブロック療法は自律神経のバランスを整えますから、このような痛み以外のストレスによる病気にも効果が出てきます。

 

この療法を行うと、局所麻酔薬が効いている間、脳を初めとする支配領域の血行がよくなり、機能低下していたさまざまな器官が機能回復するのを助けます。そのため、痛みや様々な症状が改善されます。

 

顔面神経麻痺の後遺症に効果はある?

顔面神経麻痺は、顔の片側が突然動かなくなり、麻痺してしまい、口が動かなくなったり、目を閉じられなくなったり、味覚が麻痺して食べ物の味が分からなくなったりというような症状が表れます。

 

原因不明で突然発症する「ベル麻痺」が全体の約6割を占めており、次いで多いのは「ハント症候群」による麻痺で、全体の15%ほどにあたります。「ベル麻痺」の場合、強いストレスにより顔面神経が麻痺して起こるのではないか、と言われていることから、自立神経のバランスを整える「星状神経節ブロック」療法は、顔面神経麻痺の治療にも効果があると考えられています。

 

 

頭痛を治そうと治療を開始したところ、胃腸虚弱、冷え性、易疲労、腰痛、花粉症、耳鳴り、便秘、魚の目など目的以外の症状がたくさん改善したということもしばしばあり、顔面神経麻痺の後遺症で口がうまく動かせなかったり、片方の目がこわばっているのが、改善されたという場合もあるようです。

 

星状神経節ブロック療法は、一回で改善する場合もありますが、週に一度位の頻度で、だいたい10回ぐらい継続的に行うと効き目があるとされています。繰り返していくと脳の視床下部の機能が改善され、自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスが整い、自己治癒力が高まってくることにあります。そしてその改善した自己治癒力により、体中のさまざまな病気が治っていくといわれています。

 

副作用はあるのか?

「星状神経節ブロック療法」は副作用がありません。

老若男女を問わず、妊娠中の女性でも、ほとんどの方が治療を受けることができます。ただし、時々、ブロック注射のあと、声がかすれる、ものを飲みこみづらい、注射した部位が痛い、腕があがらない、といった症状がみられることがあります。しかしこれらは、一時的なものでだいたい1~3時間で元に戻ります。のどにはいろいろな神経があるため、少しだけ局所麻酔薬が流れていくことによりおこります。

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